季節の健康と漢方 - 胃腸
胃腸
暑い夏、冷たいものばかりとっていませんでしたか? 冷たいビールやアイスクリーム、かき氷などは、暑いときにはおいしいものですが、その反面胃腸を冷やし、はたらきを低下させてしまいます。
また、9月は環境が変わったり、歓送迎会などで暴飲暴食の機会が多かったりと、胃腸に負担がかかることが多い季節。
胃腸のためには、バランスの良い食事や、規則正しい生活を心がけることが第一ですが、それでも調子が良くない場合には、漢方薬で対処してみてはいかがでしょうか。
胃腸とは
胃腸は、食べ物を分解(消化)して、栄養素を吸収するはたらきをもっています。吸収された栄養素は、エネルギー源として作り替えられ、体のすみずみに運ばれて利用されるのです。
漢方の考え方で、胃腸にあたるのは“脾胃”です。脾胃はエネルギーである「気」を産生する臓腑として位置付けられており、元気な体を維持するためには胃腸のはたらきを整えることが大切となります。
胃腸はとてもデリケートな臓器で、ストレスや食生活の乱れ、不規則な生活などさまざまな原因によってトラブルを起こします。こうした原因によって胃の血行が悪くなったり、自律神経のバランスが乱れたりすると、食べ物を消化するはたらきが低下したり、胃酸が出過ぎたりします。また、腸の場合は、食べ物を吸収するはたらきが低下することもあります。
胸焼け・胃もたれ
症状は?
胸やけは、胃の上の方が焼けるように熱く感じることです。また胃もたれとは、胃に何か残っている感じがする、胃が重く感じることです。胸やけや胃もたれは、食べ過ぎや飲み過ぎが原因となることが多く、また、ストレスや過労、睡眠不足によって生じる場合もあります。
対処法は?
食事に、パセリ、しょうが、シソといった薬味をとり入れてみましょう。薬味には、食欲を増進させる効果が期待できます。
また、食欲がないからといって、冷たいものや水分ばかりとっていては逆効果です。温かいうどんやおかゆ、煮魚など、胃腸に負担をかけにくい、温かいものを食べるようにしましょう。
そして、心身の休養をとり、気分を切りかえることも大切です。
酒やたばこ、香辛料などの嗜好品は、とり過ぎないようにしましょう。
食欲不振
症状は?
食欲不振とは、食べる気がしない、食べたいけれど食べられない、おいしく食べられないなどを指します。原因は、精神的なストレスによるもの、胃腸の機能低下によるものなどが考えられますが、食欲不振が続くと十分に栄養分をとれずに疲れやすくなったり、貧血になったりと、ますます体調を崩すことになりかねません。
食欲は、ちょっとした体の変調やストレスなどの影響を受けやすく、とくに現代では精神的ストレスによる食欲不振が増えているといわれています。また、夏バテや生活習慣の乱れなどが原因となることもあります。
対処法は?
食事に、パセリ、しょうが、シソといった薬味をとり入れてみましょう。薬味には、食欲を増進させる効果が期待できます。
また、食欲がないからといって、冷たいものや水分ばかりとっていては逆効果です。温かいうどんやおかゆ、煮魚など、胃腸に負担をかけにくい、温かいものを食べるようにしましょう。
そして、心身の休養をとり、気分を切りかえることも大切です。
酒やたばこ、香辛料などの嗜好品は、とり過ぎないようにしましょう。
おすすめの漢方薬
処方名 | こんな方に |
---|---|
あんちゅうさんかぶくりょう 安中散加茯苓 | 体力中等度以下で、神経過敏で胃痛や腹痛があって、胸やけ、胃もたれ、食欲不振などを伴う人の神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に。 |
はんげしゃしんとう 半夏瀉心湯 | 体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、嘔吐や食欲不振などのある人の急・慢性胃腸炎、消化不良、下痢・軟便、胸やけなどに。 |
へいいさん 平胃散 | 体力中等度以上で、胃がもたれて消化が悪く、食後に腹が鳴って下痢の傾向のある人の食べ過ぎによる胃のもたれ、急・慢性胃炎、食欲不振などに。 |
りっくんしとう 六君子湯 | 体力中等度以下で、胃腸が弱く、疲れやすい、手足が冷えやすい人の胃炎、胃腸虚弱、食欲不振、胃痛、嘔吐などに。 |