季節の健康と漢方 - 冷え症

冷え症 イメージ

冷え

冬は手足の冷えが気になる季節です。特に冷え症の方は暖房などで体を温めても効果を感じにくいかもしれません。実は、冷えの原因は気温の低さだけではなく、生活習慣も関係していることがあります。このページでは冷え対策についてご紹介します。

体を冷やしやすい習慣

アイスや冷たい飲み物、夏野菜などを多く食べる

暖房で部屋を暖めていても、冷たいものを食べたり飲んだりすると体は内側から冷えてしまいます。また、夏が旬、もしくは暑い地域でとれる野菜や果物(きゅうり、トマト、バナナなど)も体を冷やす性質があります。

腰から下が薄着になりがち

寒いときには上着を重ねていくことが多いと思います。しかし冷たい空気は上から下へ流れるため、上半身よりも下半身のほうが冷気にさらされやすい環境にあります。このとき脚や足首を覆う衣服が薄いと、体が温まりにくくなります。

運動不足&シャワーで済ませてしまう

体をあまり動かしていなかったり、入浴の際に湯船に浸からずシャワーで済ませたりという習慣は、血液の流れが悪くなる原因になります。

キュウリ、トマト、バナナ イメージ

日々の冷え対策

体を温めるものを食べる&飲む

体を温める食材として、ショウガ、ニラ、ニンニクなどがあります。飲み物はなるべく常温か温かいものを選びましょう。ショウガは加熱することで体を温める力が強くなりますので、紅茶やホットミルクに入れるのもおすすめです。

主に足を温める

冷え対策のためには、特に足首を温めることが大切です。女性はタイツだけではなく丈の長い靴下なども活用しましょう。足裏に貼るカイロを活用するのもおすすめです。

適度な運動と入浴

スクワットや軽いウォーキングは、運動時に血流が促されるだけではなく、筋肉量の維持にも役立ちます。また、入浴の際は湯船にゆっくりと浸かってリラックスしましょう。時間がとれない場合は、洗面器などで足湯をするだけでも効果があります。

生姜、紅茶、入浴中の女性 イメージ

東洋医学の視点から

一般的に言われる「冷え性」は病名ではなく、体が冷える性質であることを指しています。東洋医学の考え方では「冷え」を治療が必要な症状の一つと考えているため、「冷え症」(冷える症状)と表現します。
「冷え」の治療は、漢方薬が得意とする分野の一つです。からだの内側を温めて冷えを改善し、さらに冷えの原因をとり除くことにより治療を行います。
手足の冷え、腰の冷え、手足は冷えるが頭はのぼせる(冷えのぼせ)など、冷えを感じる部位やその感じ方に応じた漢方薬を使い分けることが特徴です。
また、漢方薬には複数の効能・効果があるため、頭痛、肩こりなどの冷えに伴う症状の改善も期待ができます。

おすすめの漢方薬

処方名こんな方に

とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう

当帰四逆加呉茱萸生姜湯
下肢の冷えが強い方の、冷え症、しもやけ、頭痛、下腹部痛、月経痛などに。

しんぶとう

真武湯
体が冷えがちで胃腸症状がある方の、めまい、下痢、むくみ、湿疹・皮膚炎などに。

うんけいとう

温経湯
手足がほてって唇がかわく方の、足腰の冷え、しもやけ、月経不順などに。

とうきしゃくやくさん

当帰芍薬散
冷え症で貧血傾向の方の、しもやけ、耳鳴り、めまい、月経不順などに。

けいしぶくりょうがん

桂枝茯苓丸
足は冷えるのに顔はのぼせる(冷えのぼせ)という方の、月経不順、月経痛、更年期障害、肩こり、めまい、しもやけなどに。

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