生薬について

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生薬というのは、天然の植物、動物、鉱物などを薬用としたものです。なかでも植物性の原料は「草根木皮(そうこんもくひ)」といい、先人の知恵によって薬効を見出されてきました。
「五苓黄解内服液」に使われている生薬は9種類。それぞれについてご紹介しますね。

苓子ママ

沢瀉(タクシャ)

オモダカ科サジオモダカの地下茎の一部で、一般的には皮を除いて使います。利水作用があり、水分代謝をはかります。
オモダカは矢じりの形をしているので「勝ち草」とみなされ、戦国武将が家紋として用いていました。

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茯苓(ブクリョウ)

サルノコシカケ科マツホドというきのこの菌核です。『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』という漢方の古典では、生命を養う目的の薬を集めた「上品(じょうほん)」に収載されています。漢方では「水滞(すいたい=水分の偏り)」を治すとされ、胃内停水による食欲不振・消化不良などに用います。

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桂皮(ケイヒ)

クスノキ科の樹皮で、シナモンとも呼ばれます。
香辛料、あるいは芳香性健胃薬としても広く使われています。

桂皮(ケイヒ) 画像

猪苓(チョレイ)

サルノコシカケ科チョレイマイタケの菌核です。利水作用があり、漢方では「湿(しつ=過剰な水分)」を除くとされます。

猪苓(チョレイ) 画像

白朮(ビャクジュツ)

キク科のオケラまたはオオバナオケラの根茎を用います。『神農本草経』の「上品」には、「朮(ジュツ)」の名前で収載されています。

白朮(ビャクジュツ) 画像

黄連(オウレン)

キンポウゲ科のオウレンの、根をほとんど除いた根茎を用います。
ベルベリンという成分を含み、健胃作用があります。

黄連(オウレン) 画像

黄柏(オウバク)

ミカン科キハダの樹皮の、一番外側の皮を除いたものです。鮮やかな黄色が特徴で、苦味健胃薬として用いられてきました。

黄柏(オウバク) 画像

黄芩(オウゴン)

シソ科コガネバナの根の、皮を除いたもので、漢方でいう「湿熱(しつねつ=過剰な水分や熱)」を除くはたらきがあります。
コガネバナは「黄金花」と書きますが、花は紫紅色で、根が黄色いことからこの名がついたようです。

黄芩(オウゴン) 画像

山梔子(サンシシ)

アカネ科クチナシの果実で、漢方でいう「清熱(せいねつ=熱を冷ます)」にはたらき、充血性の炎症を鎮めます。
クチナシの語源は諸説ありますが、果実が熟しても開裂せず口を開かない「口無し」ということからきているともいわれます。

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