季節の健康と漢方 - 鼻炎

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鼻炎

外部からの刺激に鼻粘膜が過敏に反応し、炎症を起こすのが鼻炎です。
鼻炎には、大きく分けてかぜなどの感染症やアレルギーによる急性鼻炎と、こじらせてしまった慢性鼻炎があります。
ここでは、急性鼻炎と慢性鼻炎それぞれの症状と対処法を見ていきましょう。

急性鼻炎

症状は?

かぜなどの感染症や、花粉などのアレルギーによる急性鼻炎は、鼻づまり、水っぽい鼻水、くしゃみなどが主な症状です。これは、鼻粘膜から侵入するウイルスや花粉などを追い出すための反応だと考えられています。

対処法は?

かぜが原因である場合は、かぜを治すことが第一です。温かくして、栄養のある消化の良いものを食べて体力回復につとめましょう。

花粉やハウスダストといったアレルギーが原因である場合は、できるだけアレルギーの元になる物質(アレルゲン)を体に触れさせないようにします。花粉が原因の場合は、マスクや保護メガネを使用し、ツルツルした素材の帽子や上着を選びましょう。ウールなどの天然繊維には花粉が付着しやすいので、避けたほうがよいでしょう。

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慢性鼻炎

症状は?

鼻粘膜の炎症がおさまらず、長期間続く場合は、慢性鼻炎と呼ばれます。鼻水、鼻づまりのほか、鼻の奥が重たい感じがしたり、ニオイや味がわかりにくくなったりすることもあります。
また、ねばねばした黄色や緑色がかった鼻水が出る場合は、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)も考えられます。

対処法は?

体が疲れていると免疫力が下がり、鼻炎が慢性化しやすくなります。十分な休養をとり、お酒やタバコなどの刺激物は控えめにしましょう。

また、甘いものや生野菜などは体を冷やし、鼻づまりを起こしやすくするので避けたほうが良いでしょう。体を温めるとされているネギ、ニンジン、ショウガ、玄米、サツマイモ、カブ、ウドなどを積極的に食べましょう。

おすすめの漢方薬

処方名こんな方に

しょうせいりゅうとう

小青竜湯
うすい水のような痰を伴うせきや鼻水が出る方の鼻炎、アレルギー性鼻炎、花粉症に。
比較的体力のない人向け。

かっこんとうかせんきゅうしんい

葛根湯加川芎辛夷
鼻の通りを良くし、炎症を鎮める。比較的体力がある方の鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症に。

かっこんとう

葛根湯
かぜの初期、鼻かぜ、鼻炎、頭痛に。体を温め、汗を出す。比較的体力のある人向け。

けいがいれんぎょうとう

荊芥連翹湯
蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎に。炎症を鎮め、膿を排出する。体力が中等度以上の人向け。

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